2013年8月14日水曜日

■空蝉(うつせみ)の凛々しい背中

夏休み中、馴染みのお寺に通っていました


人が来ないので本当に静か



特に、

小規模ながら
昔の賑わいが偲ばれる立派な石段と

人間の手が入りすぎていない
山門から手水場への通りは


知らぬ間に私がまとっていた
「都会の仮面」をどんどん剥がしてくれる


そんな
「心の泉湧きだす」とっておきの場所です

この間行って来たばかりなのに、もう恋しい…




さてさて、そんな境内で
いつもと違ったことがありました


それは、
「セミの抜け殻」を大量に発見したこと


毎年、何度も来ているはずなのに、
今年の遭遇率は異常…

というか、田舎育ちのくせに、
空蝉(うつせみ)を目の当たりにしたのは初めてかもしれません


苦手な方がいらっしゃるかもしれないので、
ちょっとスペースを空けて
小さめに画像を掲載します



















この抜け殻たちですが、数えてみると
ほんの2平米くらいの一角に13個ありました

うま〜く葉の裏や陰で羽化するのですね


空蝉の背中には、
セミが見事に脱出したであろう「切れ目」がキリッと走っていました


なぜか、
その「切れ目」を見て
言いようのない感動をおぼえました

「このじわっとくる”モノ”はなんだろう?」

自分で気づいていない願望、、、例えば
「殻を破りたい」といった思いが潜んでいて、
それが投影されているのかな

などと考えつつ何気なく辺りに目をやると、

空蝉の草むらから3メートルほど離れたところに、大人のセミが!


このセミ、腰くらいの高さでじっとしていました


「こんな高さに?危ないんじゃない?」
と余計な心配をするヒト(成人・メス)


薄めの若い色をしているので、
羽化したばかりの成虫かもしれません

それなら、この危なっかしさも理解できます


たくさんの空蝉と、若セミの初々しい姿
命の逞しさに感じ、思わずシャッターを切る私


―――その直後


「きっと羽化の途中で
 他の生き物に捕食されてしまうことも
 あるんだろうな…」

空蝉が、
「大きめの葉の陰」にあったことを思い出し、
しばしの間、じっと佇んでしまいました


「安全な羽化場所を探す途中で、命を落としてしまったり、
 風雨で地面にたたき落とされることだってあるかもしれない」

その自然界の凄まじさに、心を呑まれてしまったんですね
(何度もいいますが、田舎育ちのくせに私ときたら…苦笑)


後で調べたところ、
急激な体の成長と殻を脱ぐタイミングが合わず、内圧に負けてしまったり、
殻から出るときに羽(昆虫の場合は”翅=し”)を傷つけてしまったり、
ということもあるそうで、

出てくるわ出てくるわ、
成虫になるまでの難関の数々…


そういう意味で、
羽化の成功を物語る「空蝉」は、
幸運の象徴とされているのだそうです


私も、セミにあやかって、
殻をやぶれるといいな
それも、死ぬまでに何度もやぶりたいな


この夏、
もし私に自由研究の宿題があったら、
間違いなく「セミの一生」だったと思います


2 件のコメント:

  1. 蝉の抜け殻・・
    見たことありますが、そんなドラマがあるとは!「空蝉」は幸運の象徴とのこと。いいことがたくさんあるといいですねー。

    ここのところの帰省シリーズ、楽しみにしています。
    Chibikuroさんの故郷は素敵なところなんだなーって(^o^)

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  2. アイロニ兄さん2013年8月18日 10:33

    僕の仕事の師匠が「1から10を感じ取れる人になれ」と言っていた。
    感覚として、まだ3しか感じ取れない。忙しさにかまけて、1を1として感じられないことも痛感している。

    だけど、Chibikuroさんのブログを読んでいると、10を感じ取る、というのがどういうことかがちょっと分かるような気がする。

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